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2010.04.28

図書館迷宮と断章の姫君

 本自体に魔力があり、読む事で力を顕現させられるという読書魔法。それがある事件をきっかけに発見されたという世界です。ある事件というのは街一つが異空に呑まれ換わりに現れたのがサグラダファミリアの様な外見の建築物を街レベルにまでスケールを大きくした図書館でした。その建物の中は下に向かって各層で構成されており、正にダンジョンとなっています。そしてそこで発見される本は何かをきっかけに変化します。人化するものもあれば、モンスター化するものもあり、モンスター化したものはそのままダンジョン内を徘徊し、人化した者には人権も与えられます。更に図書館内で発見される読書魔法と言うのが現代の科学からみてもオーバーテクノロジーが多く、そういった書物は高額で取引されており、企業もパーティーを作って探索する程です。
 さて、ここで重要なのがダンジョン内は異界であり、その法則が人界とは異なると言うことです。これが現代においてファンタジー感を保てる理由となっています。特に手から放れた物は危害を加えられないという法則により近代遠距離兵器は全て無効化します。手から放れる=無効というのは気の様なものが流れていると言えば想像しやすいでしょうか?よって武器も図書館より発掘された錬成法により、より気を受け易い武器が剣や、槍といった形で作られ、使用されるのです。
 そして本格的なダンジョン探索型の物語でありながら日常と融合している理由としては例の図書館と学校が併設されているからです。学校といっても勿論ただの学校ではありません。読書魔法を使用できる適齢が子供であるという点で、オーバーテクノロジーを得る為に国が全国から能力適合者を集めて教育しているというのがその学校の正体です。卒業後の進路も先述の事で分かるとおり企業からも引く手あまたであることから競争率も高いのだとか。
 と、まぁ前置きが長くなりましたがそんな世界でひょんな事から人化した"異空密議教典"ことイクミが刻馬と美々子と共に自分の欠片である"断章"を探すというストーリーなのです。(一言で終わった!w)
 折角なので少しキャラ紹介をしますと、まずは主人公である"刻馬"は読書魔法の潜在能力でいえば恐らく最も優れた能力者なのですが、そのことで国の実験により深いトラウマを刻まれた少年です。読書魔法を使用することを恐れているが為、剣の鍛錬を人一倍積んでいて、過去のトラウマを隠すかのように普段はヘラヘラとした態度を取っています。適齢からみても年長クラスで、父親は図書館顕現の事件に深く関わっています。
美々子は刻馬の幼馴染で、刻馬に対して深い敬愛と絶対の忠誠を誓っている少女。両親はやはり刻馬の父親と共に実験を行っていたこともあり、国に療養という名の人質に取られています。校内では読書魔法の実力はトップクラスですが、潜在能力では刻馬に遠く及びません。イクミの人化の際に家を消失してしまい、イクミと共に刻馬の家に住まうことになります。
イクミは美々子の家の書庫に眠っていた魔道書で、本の体裁こそ保っていましたが、そのページの殆どは真新しい白紙で補われていました。国で保管されていた"断章"(数ページでありながら凄まじい魔力を含んだページ)が盗難にあい、その強盗が美々子の書庫に乱入するという事件をきっかけに、刻馬の血によって人化します。その時、強盗が持っていた"断章"が自分の一部であることを感じ取り、自分の欠片を集めることを決断します。
 ダンジョン探索のどきどき感が見事に表現された作品です。ウィザードリー好きならお勧めです!

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