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2010.08.09

ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~

 劇場公開中に存在は知っていたのですが、メインビジュアルに魅力を感じなかったことと、物語の内容を匂わせるキャッチが目に届かなかった事、フルCG作品が苦手な事もありスルーしてしまった作品。その後、観に行った友人から面白かったとの情報は得つつもなかなか手が伸ばせなかったのですが、先日モントリオールファンタジア映画祭2010で審査員特別賞を受賞したこと。更に他の受賞作の中に『マイマイ新子と千年の魔法』、『サマーウォーズ』と私の感性に合った作品が名前を連ねていたこともあり、観てみることにしました。

 無くした物があったときにお稲荷様に卵を供えると出てくるという埼玉県入間市の民話をモチーフにした作品で、実は狐が人間がほったらかしにした物を拾い集めて、人知れず世界(ホッタラケの島)を構築している。というのがベースになっており、その主軸になるのが主人公の遥で、子供の頃に大事にしていたお母さんの形見である手鏡を探す為にお稲荷様に卵を供えにやってくるのですが、そこでホッタラケの島に迷い込み、大冒険の末に手鏡を探し出すというお話です。

 遥の幼少の母親の思い出から物語が始まるのですが、冒頭の10分で物語に引き込まれました。特に2段階の時間軸を経ての現在に至るシーンだけで色々な思いが駆け抜けます。高校生になって、父親に突慳貪な態度をとる事すらもいとおしい感覚というのでしょうか。遥というキャラクターを構成する情報がふんだんに詰まった冒頭です。(ここ迄でもう既に一回泣いていますw)友達が来ているのに突然「おばあちゃん家に行く!」とか言い出したのには吹き出しましたがwまた、フルCGとうたわれていたので、さて自分は受け入れられるのかな?と心配だったのですが、絵本調の絵から始まり、こういう表現もする作品なのねと思った瞬間に受け入れられた気がします。その後の背景とキャラの融合がコレなら有りだなと思ったのも大きいですね。その後はCG云々というのはあまり気にならなくなってました。

 その後異世界に迷い込む訳ですが、暗いトンネルを抜けた後に光と共に広がるホッタラケの島はワクワク感を刺激させられましたし、異世界でありながら人間界の物(知っている物)で構築された世界というのは、最近観た借りぐらしのアリエッティーを思い出しました。埼玉国体のキャラクターから県のキャラクターに昇格したコバトンのイラストが壁になっていたのは笑いましたがw

 コットンとの出会い。男爵という明確な悪役の存在。最終局面において色々な人々の協力も世界観だけでなく物語そのものを盛り上げてくれたのも良かったですし、鏡に宿った思い出という魔法がギクシャクとしていた父と娘の関係を修復してくれる件も物語の最後に温かみを添えてくれます。笑いあり、涙あり、ドキドキや、ワクワクなど様々な思いが詰まった良作。そんな大相に面白かった。絶対お薦め等と言う気はありませんが、観終わった後に心の片隅にポッと温かさが生まれるようなそんな作品です。ノイタミナ以降のフジテレビのアニメーション作りの姿勢を再認識出来た素敵な作品でした。

 但し、貸してもらったブルーレイのパッケージからは作品への思いが全く感じられないのは残念でした。まず「ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~」の一文字もパッケージには記されていません。英名が書かれているだけで、あとは白地に遥とテオが描かれているだけです。コレでは店舗の棚に置かれていても本作品を見つけ出すことすら出来ないでしょう。フジテレビの開局50周年の作品ということもありBD化はされたのかもしれませんがこれはあんまりですね。

 あとは宣伝プロデュースの難しさでしょうか。記念作品という事もありTVCMも沢山の種類が作成されてようですが、本作品を観てからの感想になりますが、アクションシーンのみで構成されたCMは興味が持てませんでしたね。興味を覚えるだろうなと思えるCMは1割位でしたね。私の場合、キャラがあまりにもCGくさい作品だった為にそこで線を引いてしまった感は否めないのですが、もう少し鏡の存在をアピールした構成、特にメインビジュアルのポスターはもう一種類くらいあっても良かったかなと思いました。ここ一年程で、好きだけど世間にあまり認められていない作品を立て続けに出会っているだけに宣伝プロデュースという仕事の大切さを実感したそんな作品でもありました。

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コメント

>Poiさん

 楽しんで頂けた様でなによりでした。私の自宅にあるBDソフトで、最も再生回数の多いソフトであり、更には劇場で観たよりもBDで観た方が感動したという不思議な1作(笑)でもあるので、作品の感性が合う方に観て頂けてソフトも喜んでいることでしょう。
 ちなみに、最初に発売されたBDパッケージは「コレクターズエディション」で、箱にBDメディアと設定資料集が収められており、箱の帯に小さく「ホッタラケの島」と書かれているので、一応見つけられるとは思います。ただ、私は店頭で売っているのを見たことがないので(汗)、目につくかどうかは心配なところではあるのですが…。
 現在はスタンダードエディションも発売され、キービジュアルがパッケージとなっているのでちゃんと分かるものになっています。
 デザインの好みはあると思いますが、何の捻りもないキービジュアルのパッケージより、私はコレクターズエディションの白いパッケージは好きです。もう少し凝ってくれても良いとは思いましたが…。
 ちなみに、DVD版では「ほったらかしBOX」としてBDのコレクターズエディションより豪華な(苦笑)パッケージが発売されており、この映画の不遇さはこんなところにも現れている様に思えます。
 もしお時間がある様であれば、Amazonとかでどんなパッケージがあるか等確認してみるのも良いと思います。

投稿: こうたろ | 2010.08.10 10:15

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