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2011.01.30

もう一つのシアター!

 行って来ました。場所は新宿紀伊国屋ホール。このお芝居は実在する小劇団「Theatre劇団子」を元に有川浩が小説「シアター!」として執筆したものを逆にTheatre劇団子が舞台で演じるというこれだけでも話題性に富んだ作品なのですが、客演に阿部丈二さんをむかえという事でも話題を呼んでいたようです。

 さて、今回の公演の内容ですが、発売ほやほやの「シアター!2」の中から地方の学校から招待されたという部分を切り取っての内容でした。原作では公演を行う事に決まった。概ね成功だった。としか書かれておらず、収支だけが計上されている部分です。原作では公演内容よりも、どう運営するかがクローズアップされる為、公演についてはどうだったと結果しか書かれていない事が良くあり、気にしていなかったのですが、まさかここをごっそり芝居に持ってくるとは思いませんでした。
 あらすじとしては、学校イベントとして招待されたシアターフラッグの面々ですが、セットはごみ収集車に回収される、セットを手配したトラックは来ない、公演パンフレットの内容は書き換えられていると明らかに何者かに公演を妨害されている。実は妨害していたのは学校の先生で、昔売れない役者をしていた経歴を持ち、役者で食っていく事の厳しさを人一倍理解しており、自分の二の舞にはさせまいとした為の妨害であった事が終盤で分かると言うもので、物事を諦めるにはその事に全力を尽くさないとダメだと主張する司により改心し、公演を成功させるという内容です。

 とりあえず感じたのは人数の多い劇団員を把握することが困難であった事でしょうか。私は原作を読み込んでいる為、誰が誰でと照らし合わせる事が可能でしたが、初見で見た場合はどうだったのかというのが少々気がかりでした。キャラが原作とよく被っていたゆかり、牧子、巧、司、千歳などは良いのですが、次点で茅原、黒川。残りは正直消去法です。特に体格を売りにしている奏泉寺に関しては性格付けでがんばってはいましたが厳しかったのは否めませんでした。ちなみに個人的にはゆかりが一番良かったです。
 また、この作品は演劇では暮らしていけないという事が主軸にある話なので、それを実際に劇団員が演じるというのは結構シュールな絵図らでした。(^^;
 沢城さん演じる千歳は沢城さん自身がモデルなので、当然役的にも声優なのですが、シアターフラッグとして演じる千歳ではなく声優としての千歳としか見てくれないファンに大してのシーンで、シアターフラッグとしての私を見て欲しい。声優としての私を持ち込まないで欲しい。そういうような事を訴えるシーンがあるのですが、当然ながら観客としてはそのまま沢城さんに投影される訳です。結構辛辣な台詞ではありますが、少なからず本人も思っている部分なのだろうなと思わせる台詞ではありました。
 原作では一番好きな牧子の牧子たる格好良さを魅せるシーンがなかったのも残念ですね。

 前回公演「愛知のオンナ」の時に終演後に休憩を挟んでのトークショーがあったのですが、実はこの「休憩を挟んで」が重要で、アンケートをじっくりと自席で書けるすばらしい時間だったのです。そこが今回無かったのは残念でした。しかも、本当は千秋楽だったこの回の次にもう一公演追加した為に次回の準備等で席ではゆっくりアンケートを書くことが出来なかったのも拍車をかけたといったところでしょうか。

 面白かった。といえば面白かったのですが、原作が面白すぎる為と、原作との感覚のギャップが埋まらなかったこともあり、私的には少々手放しでは喜べない結果となりました。勿論最終局面で司が夢を諦めるには全力を出仕切らなければいけないという事を言うシーンはとても良かったと思うのですが、期待値が高かっただけにまぁ普通だったなという感想に落ち着いてしまったのは少々残念かなと。

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投稿: 藍色 | 2013.01.04 16:02

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