もつれっぱなし
先日のリーディングライブで購入した本です。「◯◯の証明」という6本の短編で構成された一冊なのですが、驚くべきことに全てが男女一人づつの対話のみで成り立っているのです。しかも会話だけでその状況がしっかりと思い浮かぶのですから。まさに舞台脚本のには持ってこいといったところでしょうか。津久井教生さんと、倉田雅世さんの二人の朗読劇で何回か聞いたことのある「宇宙人の証明」と「四十四年後の証明」も収録されており、その為か脳内キャストは勿論この二人ですwやはりこの2本は6本中でも面白いですね。特に作中の台詞で「・・・・・・・」というのが多用されているのですが、その時の津久井さんや、倉田さんのリアクションを思い出し、なるほどなと感じるところが多々ありました。いつか全部やりたいと津久井さんがおっしゃっていましたが、もし次に聞きたいとしたら幽霊の証明ですかね。
折角なのでさらっと各話のあらすじというか内容というかをご紹介。
宇宙人の証明
彼女が会社を休んだので心配で家に行くと何だかもじもじとはっきりしない。根気よく聞き出すとなんと宇宙人を拾ったという。しかし見せてもらったそれはどう見てもナメクジだった・・・。
四十四年後の証明
ある日孫だと名乗る女の子からの電話。未だ結婚すらしていない男性はイタズラと決め込むが、女の子が言うには44年後の未来から掛けてきてるのだという。
呪いの証明
ある男の葬式の帰りに彼女に呼び出され、行ってみるともじもじとはっきりしない。よくよく聞くと葬式の男性を殺したのは自分だという。
狼男の証明
男性タレントと女性マネージャー。コンサートを目前にしてタレントがその日のコンサートをずらせないかと渋る。訳を聞くとその日は満月だという。(この作品のみ男性と女声の配役が他と逆転しています)
幽霊の証明
部屋に突然現れた彼女は言った。私死んだの。しかし触れるし、体温も鼓動も感じる。何を世迷言をと決め付ける彼氏だが、思わぬ展開に発展していく。
嘘の証明
万引きをした女生徒を説教をするべく呼び出した男性教師男性教師。しかし女性徒は万引きなどしていないという。誰もかれもが万引きしたと決め付け否定すると嘘を付くなという。どうせ反論しても決めつけられたことを覆すことは無理だし無駄だと諦めるが、その男性教師は万引きをしてないことを信じてくれる。その結末とは!?
と、こんな話し達が6本収録されており、会話だけで進むのでとにかく読み易さはピカイチです。活字が苦手な人でも苦なく読めることでしょう。お試しあれ。
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