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2011.02.01

ココロコネクト ミチランダム

 ココロコネクトシリーズ4巻目です。一巻目二巻目三巻目の感想はそれぞれどうぞ。
 さて、今回の異常現象は「感情伝導」です。思っている事が文研部の他の1人~4人の誰かにランダムで送信されてしまうという現象で、直接頭の中に声のように聞こえるというものです。送信者は誰に届いたかが分かり、受信者は自分以外に誰に届いているかは分かりません。当然現象はランダムで、何時いかなる時に発生するかもわかりません。ただし、強い感情程発生しやすいという傾向はあるようです。

 今回の現象は今までの現象と比べれば5人以外の外への影響度は少なく、過去3回の異常現象を体験し乗り切ってきた5人であれば問題ないと思われましたが、今回の現象の煽りをまともに食らったのが伊織でした。人格崩壊と言っても過言ではない程に壊れ、今までの現象の中で最もダメージが深く、そして対外的にも影響が出てしまいました。もともと、過去のトラウマから他人に合わせて自分を作り、自分でも本当の自分が分からないと悩む伊織でしたが、今回の現象で理想を演じる外面と、漏れてしまう内面のギャップに耐え切れなくなり暴走します。不の感情のまま感じた事を文研部以外の周囲にも吐き出し、クラス内でも孤立します。
 しかし、幾度となく異常現象を乗り切り、その都度成長を遂げてきた文研部員。全員で伊織の救出を試みますが、その都度伊織からの激しい拒絶で説得しては逆に落ち込むという攻防の末、稲葉が全てをさらけ出し、伊織と同じ位置にまで降り、罵倒し合いながら伊織を引き上げる事に成功します。そしてやっぱりこの男、太一の一言が救い出すのです。
 誰が何と言おうと今回のヒロインは稲葉ですね。太一にふられながらも好きであり続ける姿はとても好感が持てます。何より太一の事を思い、いちいち真っ赤になって照れる稲葉が可愛すぎるのです。一巻の頃にはこんなにも乙女チックな稲葉が見れるとは夢にも思いませんでしたw

 今回一人壊れた伊織ですが、結果的には大切な仲間の助力を受け、復活どころか更にパワーアップして大復活してくれました。気が付いて見れば物凄くシンプルな事なのですが、だけどそこに気が付くまでに傷つき、傷つけて、でもしっかりとそこに気が付いて今迄より一歩も二歩も前進できる彼ら彼女達がとても眩しいですね。青春っていいなぁwと素直に思える作品です。物語はどうやら終盤に差し掛かっているようで、最後に<ふうせんかずら>が終わりへの道筋が見えたとつぶやきます。次の異常現象は!?5人行く末は!?現象が起こらなければ物語は始まらないわけですが、このまま何も起こらずに五人には幸せになって欲しいと思ってしまいます。

 この作品も刊行中のシリーズの中では無条件でお薦めできる良作です。機会がありましたら読んでみては如何でしょうか?

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