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2011.02.15

カナクのキセキ1

 第22回ファンタジア大賞金賞受賞作です。1000年前に各地に魔法を広めた偉大なる暁の賢者マール。その功績を礎にした今日の文明。マール自身が残した4つの碑石を訪ね世界を回る行いを碑石巡りと言い、尊い行いであるとされている。そんなある日、敬虔なマール信者であるカナクと就学中に全ての魔術を習得した天才魔道士ユーリエが二人で碑石巡りを行うことになるという話です。  実はこの二人はお互いのことが好きなのですが、お互いが相手の気持ちに気がついていないという歯がゆい関係を続けています。また、カナクにはユーリエに明かしていない秘密が・・といった歯がゆくも甘酸っぱい旅をしていくという割とありがちに見えるストーリーではあるのこの物語。  私がこのからくりに気がついたのは一つ目の碑石を見てからソーン音楽団と旅をしているときです。確信したのは2つ目の碑石を見終わってからのオリヴィア女王陛下とのやり取りを読んだ後ですね。読んでいてこれは旅の工程を描きたい話ではないことがすぐに分かると思います。トントン拍子に進み過ぎるのと、周りの人間が余りにも協力的であること。碑石巡りに対する配慮を超えた優遇を感じるのです。まるで二人の運命を知っているかの如く・・・。恐らく知っていたのでしょう。4つの碑石を回った英雄であれば尚更ですね。この答えを行ってしまうとこの物語の確信を壊してしまうことになるのでここでは語りませんが、私好みの物語であった事だけは記述しておきます。特にエピローグで闇種族のネウとの再会は切なさの中にも気持ちを暖かくしてくれるものがあります。これだけ綺麗に終わった物語ならこの一巻で終わりだと思っていたのですが、実はもう既に2巻目が書き終わっているとのこと、どの部分を描こうとしているのか気になります。良い金賞作品でした。

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