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2011.07.13

こうして彼は屋上を燃やすことにした

 第5回小学館ライトノベル大賞「ガガガ大賞」受賞作品。

 彼氏にふられた三浦加奈は生きるのが辛くなり学校の屋上へと赴く。柵を乗り越えようとすると、屋上には三人の先客が居た。人形のように可愛いがどこか掴みどころのない「カカシ」。ただニコニコとしている「ライオン」。きつい言葉を浴びせてくる「ブリキ」。ライオンは言う。「どうせ死ぬなら復讐してからにしませんか?」。そして加奈は「ドロシー」となった。「オズの魔法使い」をモチーフに、お互いに欠けたものを取り戻そうとする青春ストーリー。

 こういった作品がしっかりと賞を受賞できている小学館のガガガ文庫は侮れない。と思った。近年、主人公が若者なだけの突飛な作品が脚光を浴びる中、本作は、本来ライトノベルが描くべきジュブナイルを見事に描いている。ただ主人公が学生なだけではなく、この年代の少年少女でないと語れない心情や、感受性などを見事に表現している。
 死ぬ為に「復讐」を誓った三人の前に現れたドロシーは自らも死のうとしていたはずなのだが、そんな三人をみて居ても立ってもいられず、一人づつ手をを差し伸べていく姿は読んでいてワクワクする。そして3人を助けて残ったドロシーの復讐の件がもうたまらなく清々しいのです。wここで私は本作のキーワードでもある「空」、(ここで言うのは景色としての空ですが)澄み渡る青空を連想しました。自殺から始まる物語ですが、気がつくと晴れやかな気分で読んでいる。そんな気持ちのいい作品でした。
 ジュブナイル作品が好きな人には一読の価値はあると思います。

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