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2011.08.29

パーフェクトフレンド

 出ました。野崎まど氏の新刊です。この著者は第16回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞を「[映]アムリタ」で受賞して以来、ある意味私が最も気にしている作家です。なので今回の「パーフェクト・フレンド」の発表を知ってからココロ待ちにしていました。普段、特に何を買うと決めている訳でもなく、各社の発売日に書店の平積みを眺めてピンときたものを手に取るというスタンスである私にとっては非常に珍しいパターンと言えます。

 さて、前置きはこのくらいにして今作品の内容ですが、タイトルの通り「友達」を題材にした内容となっています。あらすじを書いていくと大事なところまで語ってしまいそうなので軽く導入の部分だけを説明しますと、小学4年生である女の子4人のお話です。3年連続クラス委員長(4年目も当確確実)の”理桜(りざくら)”が担任の先生から不登校の女の子にプリントを届けて欲しいと頼まれます。面倒ながらも賢いこの少女は担任の要求を受け入れ、友人2人(ちょっと頭はゆるいが元気いっぱいの”ややや”と、気弱な”柊子”)と共に、不登校の少女”さなか”を訪ねるのですが、実はその少女は既に数学で博士号を持っている天才児だったのです。既に大学の課程を修了しているため、小学校の履修は必要ない訳ですが、母親が同年代と触れ合い友達を作ることを望んでいる為、むげにも出来ず、かといって登校する意味も見出せず不登校を続けているというのです。しかし、理桜達との会話の中で”友達”という”システム”に興味を持ったさなかは学校に通い始めることにします。といった出だしで物語りは始まります。

 今回驚いたのはいつもと構成も雰囲気も以前の作品とがらっと違う事でしょうか。特に物語の取っ掛かりとして読み手の興味を一点に引き付ける突拍子も無い”何か”(死なない生徒であったり、開かない箱であったり、世界一面白い小説であったり)が無いのです。それどころか今回はコメディー色が強く、実際に初対面でさなかと理桜が交わしたボケと突っ込みに「ぷっ」と吹き出してまったのですが、「間」というか「テンポ」というかを見事に表現しているのです。即ちこれは読み手である私にこの時点までにキャラの性格付け、立ち居地まで認識させ、最も映えるテンポ、間で読ませていると言う事で、贔屓目で見ているのは自覚しつつも、今回も”やられたw”と思う訳です。
 個人的に気に入っているのは理桜とさなかの出会いのシーンで、さなかはおちょくるターゲットを理桜に決めるわけですが、その時点で理桜はさなかに認められている訳で、さなか的には無意識だったのかもしれませんが、友達を題材とした今回のお話の成功が約束された気がした瞬間でした。
 途中で盤上をひっくり返すような一波乱、二波乱がある訳ですが、割とストレートに”友達”の本質的な部分を語り、個人的には気持ちの良い終わり方をしてくれました。この作者の作品で最も気を抜いてはならないエピローグwも(下手をするとここで全部ひっくり返されるのでw)、構えていた割には素直に終わってくれ、若干拍子抜けしつつも安心したと言うかw今回も楽しませてもらいました。

<脳内キャスト>
柊子:浅倉杏美
さなか:桑谷夏子

[映]アムリタ
舞面真面とお面の女
死なない生徒殺人事件
小説家の作り方

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