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2011.08.03

不思議系上司の攻略法②

 何故か「ビブリア古書堂の事件手帖」と共に当ブログにもコンスタントにアクセスのあるこの作品。前作の「不思議上司の攻略法」に続く続編です。
 ざっとベースを紹介しますとこんな感じです。業績の振るわないIT企業、そこのSEである入社5年目の梶原が主人公。そんな部署に親会社から出向してきたのは年下の美人上司だった。彼女は親会社から差し向けられた赤字部門処理員であり、赤字部門は即解体との噂が流れるがその実は赤字部門を身を粉にしてプラスに転じさせ、出向先の社員を救おうと必至に行動する人なのだが、実情を知らない社員たちは彼女の行動に反感を持つ者も多くいる。そんな中、一人彼女の思いを知る事となった梶原。しかも普段厳しい表情しか見せない彼女だが、実は休日にメイドカフェでバイトをしているという秘密も共有するべく梶原自身もキッチン担当として働く事となる。こういった日常の中で問題プロジェクトに潜む癌を取り除くべく奮闘する物語です。
 地味にアクセス数が途切れないのは大人の女性による仕事としての厳しい一面と、趣味のメイドの時や、二人だけの時に見せる優しい一面のギャップによるものだと思われるのですが、あざとさが見えず、真に彼を心配し、頼りにしているところ。その気持ちに自分でも気が付いているのか?いないのか?そんな所にあるのではないかと思います。ティーンズが見せる恥ずかしさによるフォーマット的なツンデレとは一味も二味も違う魅力ではないかと。

 さて、今回の話は名古屋支店へのヘルプの話。出張話ですね。今回も前回同様に現状の把握に努めているうちに汚職の影がちらほらと見え隠れしてきます。その癌を取り除き、かつ赤字から黒字に転換すべく今回も奮闘するわけですが、今回は共にお互いを心配し、一人で抱え込んでしまう二人だけに、お互いに心配を募らせていくという悪循環に陥ります。果たして名古屋支店を救うことは出来るのか?といった感じでしょうか。

 今回は「親子愛」これが主軸に置かれている気がします。名古屋支店のベテランSEの高橋が今回のキーマンなのですが、娘が通う学校の施設の工事に関わっており、工事ミスが発覚します。隠蔽しようとする企業に対し高橋は補強工事を願い出るが、その見返りに減価での発注をいくつも担うことになります。その所為で過労死寸前の父を見てひたすら心配する娘。そして娘のために心血を注ぐ父。それを救おうとする梶原達。今回もいい物語を見せてもらいました。最後に悪が屈服する様は読んでいて気持ちが晴れます。そして最後には前回同様満月を背負い物語を〆るというなかなかにくい演出をしてくれました。
 何となくこの分だとあと何冊かは続きそうな予感ですね。梶原の告白までは見届けたいですなwしかし、これ程タイトルが似つかわしくない作品も珍しいw

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