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2011.09.07

山がわたしを呼んでいる!

 ひょんな事から山の事など何も知らない女子大生"あきら"が山荘でアルバイトをする事になるお話です。
 そのきっかけとは彼氏にフラれ、茫然自失だったあきらが出会ったのは芸能人でカリスマ的女性の"雪乃"。その時からがさつな自分を変えるべく雪乃になる為の努力が始まる。振られた彼とのよりを戻せるかもしれないという望みを託しながら。そんなある日、雪乃のパワースポットとして山が紹介され、アルプスの少女ハイジの優雅な生活を思い浮かべたあきらは一も二も無く友人が紹介してくれた山荘のアルバイトに飛びつく。が、待っていたのは汚い山小屋、畳は毛羽立ち、雑魚寝必至、風呂は週に1回、口うるさい山猿の様な男に、セクハラ主人、山伏に、気弱なマニュアル人間と変人ばかりの巣窟だった。この白甲ヶ山では山に登る事になった事を「山に呼ばれた」と表現する。あきらの呼ばれた理由は果たして?と、まぁ出だしはこんな感じでしょうか?

 山の事など何も知らずに暖炉やロッキングチェアーを思い描き、雪乃式のお洒落な格好でキャリーバックを担いで2000メートル級の八合目当たりに建つ菊原山荘に辿り着くなり、そのあまりの格好に山猿こと大樹に出会い頭で罵倒されます。「山を舐めるな!」と。う~ん。ですよね(^^;逆によく辿り着けたと。余りにも酷い言われように、雪乃のように怒らない、怒鳴らないを貫いてきたあきらが山猿に向ってキレます。アルバイトは取り止めて翌日に帰る!と。しかしのっぴきならない事態に巻き込まれしばらくアルバイトを続ける事になります。
 出会いは最悪、こんな所にいても雪乃修行にならないと管を巻くあきらでしたが、山の美しさ、厳しさ、人の絆などを体験していくことになります。

 あきらの良いところは稀に見る素直なところ。自分が悪かったと分かれば素直に謝るし、それがどんな険悪な相手であっても変わる事無くとにかく素直。最初こそ雪乃修行の為とつつましく、おしとやかに笑って誤魔化していたが、山猿に向ってキレてからは持ち前の裏表の無さで思ったことはそのままに口にする。納得いかない事には反論するが、それが間違っていたと分かれば素直に謝る。そんな娘なので読んでいても気持ちがいいのです。
 最後に辿り着いた「山に呼ばれた」理由の答えや、下山してからの物足りなさで悶々とした日々のあとの決意など、晴れた山の様に清々しい気分になれる話でした。

 私も山には本格的には登った事がないので知識が無いのですが、こういった知らないジャンルの話は新鮮ですね。とても勉強になりますし、視点的にはあきらと同じなのでとても読みやすく感じました。それと山の厳しさに、人のちっぽけさ。2000メートル強でもこれほど厳しいのかと。日本一の富士山がありますが、かなり整備されていて、私の友人にも普段着で山頂まで行ったという話を聞いていたので、気楽に考えていましたが、この本を読む限り舐めてましたと言わざろうえないですね。とりあえず死ぬ前に一度は行ってみたい場所として富士山の頂上があるわけですが、さて、何時の事になるやら。ちなみにその他は沖縄と、屋久島となっています。

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