« 「たまゆら~hitotose~」上映イベント in 東劇 ~ふたつめ~ | トップページ | 僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない »

2011.11.18

僕はまだ恋に落ちていない

 第3回GA文庫大賞「期待賞」受賞作品。
 友人の緊急の呼び出しに馳せ参じたら一人暮らしを始める引越しの手伝いだった。そのお礼にと渡されたのは交際券なる紙切れだった。
 そんな券を貰ったからという訳ではなかったのだが、その友人の妹二人とお近づきになる事となる公。二人の妹は全くタイプの異なる二人で、一人は恵意美。超進学校に通う誰とでもオープンなとにかく明るい高校一年生。言い寄る男性も多く、明け透けな性格から男女問わず人気が高い。スポーツ万能といった感じで、おばあちゃんの形見の翡翠のブレスレッドを大事にしている。もう一人は詠羅。エスカレーター式の女子中学に通う三年生。肌の露出が多く活発な恵意美とは正反対で、清楚なイメージで考え方も今では珍しい古風な少女なのだが、企み顔の笑顔と、天使の笑顔が逆という少々残念な娘w。料理と占いが得意で、おばあちゃんの形見の翡翠のカチュウシャを大事にしている。しかしこの二人は兎に角仲が悪い。使用人のお話ではどちらも誤解しているとのことだが、会えば言い争いが始まるような二人。
 そんな二人からちょっとしたきっかけから次第に慕われるようになるというお話です。

 これがなかなか面白かったのですよ。テイストとしてはライトノベルにありがちなラブコメ物と思われるかもしれませんが、ギャグ的な要素が殆ど無く、結構まじめに男女が惹かれあう過程というかさまというかを描いており、あとがきでも描いていますがなるべく日常を意識したと言っているのでその辺は成功していると言っていいのではないでしょうか。フィクションではあるので「こんなのねえよ」的はシチュエーションはあるにしても、ドタバタした印象が無いのは私には好印象です。
 残念なのはページの都合上仕方ないのですが、出会ってあまりにも短い期間で慕われ過ぎってところでしょうか。二人からのアプローチなので描ける量が必然的に1/2になってしまうのでその印象がより感じてしまいます。読み始めてまもなく思ったのは、恋愛に発展しないまでも、この会えば喧嘩ばかりしている二人の少女の関係を互いの誤解を解いて仲直りさせる方に話を持っていくのかなと想像していたのですが、最後はおばあちゃんの遺言による宝探しという意外な方に話が進みます。良い話だったのですが、その「宝探し」というとても重い意味を持った行為に発展するのに余計に前述の重ねてきた時間がもう少し濃厚であって欲しかったといったところでしょうか。とは言いつつもなかなか気分よく読めた作品であるのは間違いないです。今後に期待といったところでしょうか。

|

« 「たまゆら~hitotose~」上映イベント in 東劇 ~ふたつめ~ | トップページ | 僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない »

小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521178/53313608

この記事へのトラックバック一覧です: 僕はまだ恋に落ちていない:

« 「たまゆら~hitotose~」上映イベント in 東劇 ~ふたつめ~ | トップページ | 僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない »