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2012.01.12

ボクらのキセキ

 年末にアクセスがあり、ん?この作品なんだっけ?と、たまたま読み返した「パララバ -Parallel lovers-」の感想でふと静月遠火さんはこの後何を書いているのだろう?と思ったのが始まりで、調べてみるとなんと!メディアワークス文庫で執筆しているではないですか。しかも2冊も!そんな訳で早速買ってきました。

 とりあえず冒頭部分のあらすじだけをさらっと説明するとこう。ある日、有亜の家に電話がかかってきた。相手は男性で、慌てた様子で「そっちは今何年の何月?」と尋ねられる。その質問に正直に答えると、ほっとした様子。誰?との質問に男性は「こっちは5年後で、もうすぐあなたの彼氏となるものです」と答えた。彼が言うにはいずれ二人は人を殺してしまう。それを止める為に自分達は付き合ってはならない。どうか自分に会っても話しかけないでくれ。という突拍子も無いものだった。
 しかし、この電話は久則達が携帯電話を拾った事で始めた無差別な悪戯電話だったのだが、この時に未来電話である証明として適当にでっち上げた予言とも言うべき事が次々と有亜の目の前で起こっていく・・・。

 私は勝手に高畑京一郎氏の後継と位置付けているのですがw、静月遠火氏のセンスが健在であったことに喜びを覚えました。物語が読み手を引き付けるのは勿論の事ですが、謎の置き方、見せ方、そして魅せ方。特に読み手を誘導する為のガイド役、この物語で言うと正臣がこれに当たるのですが、少々突っ走る感のある久則と、今回のヒロインである有亜(物語が進むにつれてどんどんと精神的に追い込まれていくのですが)、この三人のバランスがとても良かったと思います。
 前半、携帯を拾った神社の伝説まで持ち出してオカルト系に話を持っていきますが(デビュー作が平行世界モノなのでそういう方向でもなんら不思議に思わないw)、その実、現実的な方向に話を持っていく切り替えもなかなか面白く、先のまったく読めない展開に物語の主人公達と共に歩んでいるような気持ちになる事もしばしば。それは主人公(ここでは情報を共有している久則、有亜、正臣としましょう)の視点で書かれている事が全てで、即ち主人公の知らない視点は読者も知り得ないのです。だからこそ一体感、移入具合といいましょうか、そういったものが高いのだと思います。
 とにかく難しい事は抜きにして「面白かった」これだけが伝われば良いですw年明け早々2作目の当り(とはいってもかなりの旧作なのですがw)。なかなか幸先の良いスタートです。

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