« 2012夏の新番組チェック | トップページ | ココロコネクト ステップタイプ »

2012.07.05

不思議絵師 蓮十 江戸異聞譚

 江戸時代の絵師の話で、歌川豊国や葛飾北斎等が活躍している中、主人公である蓮十は売り出し中の若手作家という立ち位置。江戸の雰囲気や時代背景もそこいらのいい加減な時代劇よりしっかりと書かれていて、「ほぅ」「なるほど」と思うこともしばしば。それでいて絵師であり物語の主人公である蓮十とその周りを取り囲む人々がコミカルに描かれており、時代物というよりはそういう世界設定のファンタジーを読んでいるような気分にさせられます。そういった要因の一つに蓮十の特技?性質と言い換えた方がいいでしょうか?描いた絵が紙を勝手に飛び出し動き喋りだすのです。そういった性質を持っているだけに苦労もあり、仕事用の絵には必ず綻びを作らないといけないといった具合です。
 そんな蓮十の絵に纏わる話を中心とした物語です。絵が中心とはいえ、動き出す絵が話の中心となる事はあまり無く、もしかしたらまた私の絵がと蓮十が心配する中、関わりのある人物の心の醜さがそれこそ形になって現れたかのような話が多く、ちょっと悲しい話が多いのですが、そこがまた魅力的でもある作風です。
 そんな中で物語を明るく持ち上げてくれるのが蓮十がお世話になっている版元の娘の小夜との恋もよう?といっても蓮十に好意を抱いている小夜と、小夜に憧れをもっている蓮十の一見上手くいきそうなのだけど、蓮十自身が自分の気持に気がついていないというあの歯痒いパターンが繰り広げられますwそれでも小夜の江戸っ子気質のおちゃぴいなところが読んでいてとてもほっこりとさせられます。時代小説であれ、現代小説であれ、女性のこういうところは何時の時代も魅力的ですね。さて、2巻へと続くのでしょうか?このお話は。

|

« 2012夏の新番組チェック | トップページ | ココロコネクト ステップタイプ »

小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521178/55153433

この記事へのトラックバック一覧です: 不思議絵師 蓮十 江戸異聞譚:

« 2012夏の新番組チェック | トップページ | ココロコネクト ステップタイプ »