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2013.10.05

クロジ第12回公演「ヒルコ」

 場所は前回公演と同じ六本木俳優座劇場。スタッフが着ているイノシシのTシャツが気になります。

 まずは物語のあらすじを簡単に説明すると、古来よりいがみあってきた二つの村というか部族があり、それぞれの王子と姫が婚姻により協力を深めようというところから物語が始まります。ところが姫の愛が深いが故に王子の小指を切り落としてしまいます。この愛の深さと重さが理解できない事へのすれ違いが二人のみならず国の運命をも巻き込んだ大波乱の物語の幕を開けます。

 今回、まず思ったのは主宰である福圓さんが主役をやっている芝居を見るのは初めてという事wこれまで「異説 金瓶梅」「かみさまのおかお」と二つの公演を見てきましたがどれも主役ではなかったどころか、ダブルキャストの関係で出演されていない時すらありました。なので彼女の主役としての芝居を見るのは初めてで、冒頭の可愛らしい姫の演技に心ときめくのでしたw(この後このときめきがすぐさましおれる訳ですが(^^;)そしてここで問題が発生。私の脳にキュアハッピーとして届くのです(爆)芝居としてキュアハッピーなどでは全くもってないのですが、姫の純真無垢でありながら心で訴えるような演技が正にキュアハッピーの言葉は幼いながらも心で訴える魂の叫びが同調して脳内変換されてしまうのです。これは大きな誤算で、弊害とまでは言いませんが芝居の内容が内容だけに大いに悩まされることとなりました(^^;

 セットは相変わらずのクオリティで、今回まず目をひいたのは中央にそびえ立つ「木」です。これが非常によくできていて、木なので当然動いたりはしないのですが大きな存在感を放っていました。そしてこれまたお馴染みの固定セットによる舞台転換の妙。今回中央に新居となる岩とそれに寄り添うように立つ木。その周りを囲むように右端から階段で昇って行き奥が一番高く、それが左端に通じてそこから左端手前へ階段が下っているという中央のセットを半円で囲うような形になっています。舞台裏への出入り口は舞台両袖の2か所と、左右の階段を上った中腹の踊り場から袖へはける2か所、そして中央の岩の後ろの1か所の計5か所で、照明による演出により左右半分に分けたり、地上から地下へと様々な転換が違和感なく行われます。

 過去観た「金瓶梅」も「かみさまのおかお」も男に恨みがあるのではないかと思うほどにダメな男が描かれている作品でしたが、今回はまず「壊れた女」が目に焼き付きます。愛故の奇異な行動をとる訳ですが、その行動を周りが理解してくれない事への絶望感は、むしろ見ている私としては何故それが奇異だと理解できないのかという恐怖となって押し寄せます。その後、心を壊していく指を切られた夫の気持ちの方が理解しやすく、愛故の嗜虐的な(妻を傷つける)態度も理解できてしまえるのです。(決して私がSだとかDVだとかそういう事ではなくですよ(^^;)
 とにかく気持ちが凹むというか私にとっては下向きになる内容のお話であったことは確かです。しかし、下向きとはいえ心を動かされたことは間違いなく、それはもうざっくりと動かされました。マイナス方面に心を動かされることの多いクロジの舞台ですが、たまにはプラス方向に動かされる演目も見てみたいものです。

 さて、今回気になったのがタイトルである「ヒルコ」。言わずと知れた神話の物語。イザナギとイザナミの最初の子供でありながら余りの醜さに忌み子とされるお話です。今回この逸話が芝居にどう重なるのかが気になって仕方がありませんでした。それこそ芝居の間中ずっと考えながら見ていましたが、明確な回答は公演から一週間以上経ってこうして感想を書いている今も見つからず、あえて言うなら登場人物それぞれが描いた「愛」そのものが「ヒルコ」だったのではないかなという結論となりました。さて、観劇された他の皆さんはどのように感じたでしょうか?

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